ドッグフードの原材料:エノキ(enoki mushroom)
エノキダケ(エノキ)はタマバリタケ科のキノコの一種で、光を遮断して暗い低温な場所で軟白栽培されたものが多く、全体的に乳白色でカサが小さく細長い形をしています。
一年通していつでも購入できますが、旬は11月秋~3月春頃とされています。煮るとなめこと似た食感になるため「なめ茸」とも呼ばれています。
ZENという国産ドッグフードにはエノキが使用されていますが、他のメーカーでドッグフードにエノキが使用されているドッグフードは確認できませんでした。
愛犬の手作り食でエノキを与えて大丈夫?
エノキは愛犬に与えて大丈夫な食べ物です。
非常に低脂質・低カロリーなので、体重管理が必要な犬や満腹感を高めるためのカサ増し食材としてもおすすめで、エノキを使った愛犬用ごはんやレシピもよく紹介されています。
くっついている石づき部分にも栄養やうまみがたっぷり含まれるので、おがくずがついた部分以外は犬も全て食べられます。
犬に与える時は、人間と同じで与える時はおがくずが付いた根元あたりを切り落とし、必ず加熱してから与えましょう。コリコリとした食感が好きな犬は喜んで食べてくれます。
エノキの栄養素と犬における働き
成分 | たんぱく質 | 2.7g |
脂質 | 0.2g | |
炭水化物 | 7.6g | |
鉄 | 1.1mg | |
ビタミンB1 | 0.24mg | |
ビタミンB2 | 0.17mg | |
糖質量 | 3.7g | |
エネルギー | 100gあたり | 22kcal |
食物繊維のキノコキトサンが豊富
エノキには食物繊維が豊富です。
エノキに含まれる「キノコキトサン(キトグルカン)」というキノコ由来の植物性キトサンには、内臓脂肪の低下作用があります。
また犬の腸内で善玉菌を増やして有害物質を吸着排泄するので、犬の便秘改善にも効果があります。
糖タンパク質成分のガン抑制効果
エノキに含まれる「EA6」という糖タンパク質成分にはがん予防効果があることが注目されています。
EA6は免疫力を高めてガン細胞の増殖を防ぐ働きがあり、エノキを生産する農家のガン発生率が低いことが長野県の調査でも報告されています。
副交感神経の働きを高めるGABAが豊富
エノキには抗ストレス作用のある「GABA」が豊富に含まれています。GABAは交感神経の働きを抑制して副交感神経の働きを高め、興奮した神経を落ち着かせたりリラックスさせる働きがあります。
また、「抗ストレスビタミン」と言われるパントテン酸が含まれており、副腎皮質ホルモンの合成に関わって犬のストレスを和らげます。
ストレスが原因の問題行動に悩んでいる飼い主さんは、愛犬にエノキをつかった手作り食を与えてみてもいいかもしれません。
犬にエノキを与える時の注意点
生のエノキにはフラムロキシンが含まれる
生のエノキにはフラムトキシンという毒性の強いたんぱく質が含まれています。
フラムトキシンは加熱すれば分解され毒性はなくなりますが、犬が生のままエノキを食べると、溶血作用や強心作用によって死亡する可能性もあり非常に危険です。
エノキによく似たコレラタケ誤食に注意
また、エノキではありませんが、コレラタケという毒キノコは、成長前の傘が小さい時期の見た目が茶エノキに似ているので、散歩中や自然が豊かな山中を歩くときに、愛犬が自生しているコレラタケを誤食しないように注意しましょう。
まとめ
- ビタミンB群やβグルカンが豊富
- 野生のコレラタケという毒キノコに似ている
- 生では毒性があるので必ず加熱して与える