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この記事では、嫌がる犬へのエリザベスカラーの付け方やストレス軽減方法などについてお伝えしたいと思います。
愛犬がエリザベスカラーを嫌がる!
エリザベスカラーは、手術やケガなどの治療後に装着する保護具です。イングランドの女王エリザベス1世の服装に用いられた襟の部分に似ていることから、そう呼ばれるようになりました。
エリマキトカゲのように首に巻き付けて使用し、犬が傷口や患部をなめて悪化させることを防ぎます。
結膜炎、角膜炎、異物や腫瘍の切除、皮膚のトラブル、歯の手術など、エリザベスカラーが必要なケースは様々ですが、一般的には去勢・避妊手術で初めて使用することが多いかと思います。
エリザベスカラーを付けると自分の思い通りに行動ができなくなってしまうため、嫌がる犬もとても多いですが、エリザベスカラーなしでは、傷口を舐めたりして患部の悪化や雑菌の繁殖、回復の遅延を招くので、エリザベスカラーをするよう指示された場合は、なるべく付けるようにしましょう。
エリザベスカラーの付け方
エリザベスカラーの付け方は簡単ですが、ポイントがいくつかあります。
愛犬のサイズに合ったエリザベスカラーを選ぶ
まず愛犬のサイズに合ったエリザベスカラーを選ぶこと。
サイズが違うエリザベスカラーを装着すると違和感や窮屈なイメージがついて、犬が余計に嫌がるようになるので、犬種やサイズから適切なエリザベスカラーを購入しましょう。
もしプラスチックの固いエリザベスカラーを嫌がるようであれば、布の柔らかいタイプのエリザベスカラーもおすすめです。首への負担が軽減できるので、素材も気にして選ぶといいかもしれません。
おやつを与えながら馴れさせる
愛犬がエリザベスカラー自体に警戒を示すようであれば、まずはおやつを与えてリラックスした状態をつくります。
また、いきなり装着するのではなく、まずはエリザベスカラーが近くにあっても平気になるように近くに置くなどしてまずは犬の警戒心を解きます。
背後から指2~3本の余裕を持たせて止める
エリザベスカラーを装着する時は、犬の後ろへ回り込んで背後から取り付けます。
ボタンがいくつかあるものが多いので、犬の首の位置で人の指が2、3本入るくらいの余裕を持たせ、止めてあげましょう。
前からつけようとすると、怖くて逃げたり、噛んでくることがあるので、エリザベスカラーの下の方(首の方)に向かってボタンを止めるのがおすすめです。
止め終わったら、前方へ少し引っ張り、犬の首から抜けないことを確認しましょう。
練習用エリザベスカラーを使う
去勢・避妊手術などエリザベスカラーを付ける時期がある程度決まっているなら、事前に練習用のエリザベスカラーを使って犬に馴れさせておく方法もおすすめです。
初めてエリザベスカラーを付けるタイミングが動物病院や手術の後では、いつもと違うことに愛犬が警戒して敏感に反応してしまうこともあるので、あらかじめリラックスした日常の中でエリザベスカラーの練習をしておくと、犬のストレスも少なく済みます。
エリザベスカラーは清潔な状態を保つことが大切
不衛生な状態は顔周りの皮膚炎の原因に
エリザベスカラーは、犬のよだれや食べこぼしなどが付着して不潔となっていることが多いため、毎日拭いたり洗濯したりして、なるべく綺麗な状態を保てるように心がけましょう。
子犬の場合には、エリザベスカラー越しにうんちをいじり、うんちまみれになってしまうことがよくあります。
衛生的ではない状態でエリザベスカラーをつけ続けると、顔回りに雑菌が繁殖して皮膚病になることもあります。
短時間なら外してもOK
飼い主さんが見ていられる状況であれば、少しの間、外しても問題ありません。散歩、食事、飲水時は、犬にとってエリザベスカラーが邪魔に感じやすいタイミングです。
傷口を舐めたりしないよう、しっかり見ていられる条件下であれば、外してストレスを発散させてあげましょう。
ただし、犬によっては一度外すと警戒して、再度つけるのを嫌がることもあります。エリザベスカラーにようやく馴れたというタイミングである場合は、慎重になった方がいいかもしれません。
飼い主の就寝時や留守中は、様子を確認できない状況が続くので、つけた方がいいでしょう。
おしゃれで可愛い!おすすめエリザベスカラー
エリザベスカラーを使うタイミングは多いことから、さまざまなエリザベスカラーが販売されています。花の形をしたもの、ドーナツのようなふわふわなもの、頭の上がないハーフサイズのエリザベスカラー…などたくさんあります。「ポンデリングみたいでかわいい!」とお散歩中に絶賛されたワンちゃんもいるようです。
エリザベスカラーの代用は可能?
手作りで代用もOK
市販のエリザベスカラーを嫌がってしまう場合は、柔らかい素材や軽量のもので愛犬のために手作りしたエリザベスカラーで代用もOKです。
エリザベスカラーがない場合は、タオルなど他のもので代用も可能です。インスタなどでは、カップヌードルを洗って切り、自作している方もいらっしゃいます。
ただし犬の首が苦しくならないよう装着の仕方などに配慮しなければならない注意しましょう。もし心配であれば市販のエリザベスカラーを利用するのがおすすめです。
エリザベスカラーの代わりに服で守る
犬のケガや傷の場所によっては、エリザベスカラーではなく術後服の着用で代用できる場合もあります。
普段と同じように動けることから、エリザベスカラーの装着が難しい場合や長期的になる場合は、こちらを検討してもいいかもしれません。
長袖タイプ、袖なしタイプなどさまざまな形状があるだけでなく、通気性を考慮したもの、柄や素材なども選べますが、服もエリザベスカラーと同様、動きにくさから元気減少や運動不足を招くこともありますので、術前から練習するといいでしょう。
【まとめ】なるべくストレスがかからないよう工夫
エリザベスカラーは病気やケガのために必要なことですが、犬のストレスの原因にもなります。
このため、なるべく違和感や窮屈感が出ないようサイズや素材に配慮したり、外せるときは外してごはんや散歩でストレス発散もできるよう心がけましょう。