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犬の病気:腎臓病(kidney disease)
腎臓という器官は血液をろ過して老廃物や余分な水分を尿として排出、血圧の調整、ホルモンの分泌などを行っています。
これらの働きから体内の見張り番と言われることもあります。
腎臓の働きが悪くなる病気のことを一般的に腎臓病と言います。
日本における小動物の腎臓病の罹患率は動物病院を受診したうちの5%前後程度の割合とされています。
犬の腎臓病は進行のスピードや原因によって、急性腎不全と慢性腎臓病の大きく2つに分けることができます。
参照:小野哲士「わが国における小動物疾病発生状況実態調査」(獣医疫学雑誌 1999年)
犬の急性腎不全とは?
犬の急性腎不全は急性腎障害と言われる場合もあります。
急性腎不全とは急性という名前の通り数時間から数日で腎機能が急激に低下してしまう病気です。
万が一急性腎不全を発症してしまった場合には早期の治療が大切です。
主に以下のような症状が現れます。
- 嘔吐
- 下痢
- 食欲低下
- 元気消失
- 尿量の急激な減少、または全く出なくなる
- 脱水症状
- 口臭(アンモニア臭)
- 痙攣
- 意識混濁
犬の慢性腎臓病とは?
犬の慢性腎臓病とは腎臓の老廃物を排出する機能が徐々に低下してしまう病気です。
犬の慢性腎臓病では腎機能の低下が元に戻らなくなってしまいます。
慢性腎臓病を一度発症すると完全に完治することはありませんが進行を遅らせることが可能です。
そのためには早期発見と適切な対応が鍵となってきます。
慢性腎臓病を発症している場合には以下のような症状が現れます。
- 異常なほどの多飲多尿(初期症状)
- 食欲低下
- 元気消失
- 嘔吐
- 下痢
- 口臭(アンモニア臭)
- 貧血
- 痙攣
- 尿量の急激な減少(末期症状)
犬の腎臓病の症状
初期症状
犬の腎臓病は初期症状がほとんどないとされています。
私たち飼い主が気づくことのできる初期症状としては多飲多尿が挙げられます。
普段と比べて水をたくさん飲むようになった、おしっこの量や回数が増えた、と感じる場合には腎臓病の可能性があります。
上記の症状に加えておしっこの色が薄いことがあります。
進行期
犬の腎臓病の進行期と呼ばれる時期には食欲の低下と体重減少の症状が現れます。
上記の症状と合わせて頻繁な嘔吐と下痢を伴う場合もあります。
腎機能の低下によって体内の循環に問題が発生し、貧血や口臭(アンモニア臭)などの症状が現れることもあります。
終末期
犬の腎臓病の終末期にはふらつきや痙攣などの神経症状、尿の量が著しく減る・尿が出なくなるなどの症状が現れます。
これまでの時期と比較すると体の全身に伴う症状が現れます。
犬の腎臓病の原因
犬の腎臓病の原因は多岐に渡ります。
犬の急性腎不全の場合には腎臓への血液低下、中毒物質の摂取、尿路閉塞などが考えられます。
犬の慢性腎臓病の場合には主に加齢による腎組織の老化が考えられますが、遺伝的要因、過去の急性腎障害、歯周病などの炎症、腫瘍、中毒などの原因の可能性も捨てきれません。
これらの原因が組み合わさることで慢性腎不全を発症する場合もあります。
犬の慢性腎臓病初期の直接的な原因やメカニズムはまだはっきりとは分かっていません。
犬が水をじっと見つめることがある
犬がお皿の水をじっと見つめることがあります。
これは水や水面の反射に興味を示していることによる行動であると考えられています。
しかし一方で少し注意が必要な場合もあります。
腎臓病の症状のうちの1つに水の多飲があるためです。
犬が水を見つめているのは、喉が渇いているが吐き気によって水を飲むことができないから、という可能性があります。
水を見つめる頻度が明らかに多くなる、水を飲む量が急激に増える、などの症状が見られる場合には動物病院を受診すると安心です。
犬の腎臓病の治療方法
犬の腎臓病の治療方法は急性腎不全と慢性腎臓病とで大きく異なります。
急性腎不全の場合には動物病院において完治のための原因療法が行われることが多いです。
一方で慢性腎臓病の場合には進行を遅らせるための治療と、症状を和らげるための対処療法が行われることが多くなります。
急性腎不全
- 点滴による水分補給
脱水を防ぎ体内の老廃物の排出を促す - 薬物療法
尿を出やすくする薬や血圧を下げる薬などが状況に応じて処方される - 透析療法
体内の老廃物や水分を人工的に除去して血液をきれいにする
(点滴や薬物療法による治療での改善が見られない場合に行われる)
慢性腎臓病
- 食事療法
腎臓の負担となる成分の摂取を制限する - 点滴による水分補給
脱水を防ぎ体内の老廃物の排出を促す - 薬物療法
血圧を下げる薬や貧血を改善する薬などが状況に応じて処方される - 対処療法
吐き気や食欲低下などの症状に合わせた内科的治療が行われる
治療しない場合もある
犬の腎臓病において体力の低下や高齢などの理由から積極的な治療を行わない場合があります。
その他にも体力や年齢以外にも食事制限だけで済む軽度な場合には治療を行わない場合もあります。
積極的な治療を行わない場合には、犬の身体の痛みや心の辛さを少しでも和らげ生活の質を上げるための治療が行われます。
腎臓に負担をかける食品を制限した食事への切り換え、吐き気による苦しみの緩和のための投薬や注射などがあります。
愛犬の苦痛を和らげることを1番に考えて、治療の方針は獣医師とよく話し合うことが大切です。
腎臓病の愛犬に飼い主がしてあげられること
病院での治療と合わせてご家庭で実践可能なケアについてご紹介します。
愛犬の負担や不安を軽減し生活をしていく上で大きな手助けとなります。
水分補給の管理
犬の腎臓病において水分補給は老廃物の排出と脱水予防の効果があり非常に大切です。
長時間水分を補給していない場合には水分摂取を促すようにしましょう。
通常の飲水に加えてウェットフードの活用や、給水器設置など、犬が無理することなく水分補給をすることが理想的です。
栄養管理
腎臓をはじめとした内臓への負担を最小限に抑える療養食があります。
これは腎臓病の犬に限らず言えることですが、食事によって栄養バランスを整える必要があります。
しかし犬によっては好みの味でないとなかなか食べてくれない場合もあります。
その場合には獣医師と相談して他の種類の療養食への変更を検討しましょう。
体重と排泄の記録
体重の増減と排泄量の変化は犬の体調を知るための大きな手がかりとなります。
これらは覚えることが難しいためノートやメモ帳などに記録すると間違いありません。
室内の温度調整
腎臓の機能が低下した犬は体温調節が苦手になる傾向があります。
そのため家の室内の温度は空調などを利用して適温を保つようにしましょう。
真夏と真冬には扇風機やヒーターなどを利用して快適に過ごせるように意識する必要があります。
代謝が落ちて体温が下がりやすいため特に冬の寒さには注意が必要です。
犬の腎臓病の予防のためにできること
犬の腎臓病を予防するためにできることをご紹介します。
①十分な水分補給
水分は体内の老廃物を排出するために必要不可欠です。
②リンと塩分を控えた食事
リンと塩分の他にもたんぱく質の過剰摂取は避ける必要があります。
これらは吸収する過程で身体に負担をかけてしまうためです。
しかし制限しすぎてしまうとかえって身体を壊してしまう危険性があります。
過剰に摂取しないことを意識すると上手く制限することができます。
③定期的な健康診断
定期的な健康診断は犬の腎臓病予防に大変効果的です。
普段から健康診断を行うことで平時の数値を知ることができるため腎臓病の早期発見が期待できます。
犬の腎臓病の診断方法
犬の腎臓病は以下のような検査を動物病院などの施設で行うことで診断されます。
- 問診
- 聴診
- 触診
- 血液検査
- 尿検査
- エコーやレントゲンを使用した画像診断
- 血圧測定
まとめ
- 犬の腎臓病には急性腎不全と慢性腎臓病がある
- 犬の腎臓病の症状と治療方法は多岐に渡る
- 腎臓病の犬には飼い主のサポートが必要不可欠
















































































































