ドッグフードの原材料:クエン酸(citric acid)
酸化防止剤やpH調整剤として使われる
クエン酸は、レモンやグレープフルーツなど柑橘類に含まれる天然由来の酸味成分で、ドッグフードでは酸化防止剤、pH調整剤として配合されます。ドッグフードの他に、犬の臭い対策や消臭スプレーなどにも利用されていますので、犬にとって危険はないと認知している飼い主さんも多いかもしれません。
クエン酸は柑橘類や梅から抽出されると思われる方も多いですが、一般的に食品添加物や工業用として使われるクエン酸は、サツマイモデンプンや糖蜜(シロップ)を原料に、これらを微生物の力で発酵し(発酵法)生成されます。
「酸」と名前につくだけあってクエン酸はかなり強い酸性(pH:2~3)です。クエン酸はこの酸性の性質を生かして、アルカリ性の汚れを落とす掃除グッズなどにも利用されています。
ドッグフードのクエン酸の効果と働き
クエン酸には様々な効果があります。
- 抗酸化作用
- pH調整
- 疲労回復
- ミネラル吸収の促進
- 生活習慣病予防
- 血液をさらさらにする
- 動脈硬化予防
- 低血圧予防
ドッグフードの脂質の酸化を防ぐ
クエン酸は強い抗酸化作用を利用して、ドッグフードでは酸化防止剤として配合されます。またクエン酸はミックストコフェロール(ビタミンE)と一緒に配合すると効果酸化作用を増大させるので、一緒に配合されることも多いです。
酸化はドッグフードの劣化を進めるだけでなく、それを食べた犬の体の細胞を老化させる活性酸素を作り出したり、発がん性物質の発生や生活習慣病など様々な問題を引き起こします。
ドッグフードには酸化しやすい脂質が10~20%程度含まれるので、ドッグフードの劣化を防ぐために抗酸化作用のあるクエン酸などが酸化防止剤として利用されます。
アルカリ性を酸性に傾けてpH調整
pH調整剤は、pH値(酸性・中性・アルカリ性)を調整する添加物で、ドッグフードが酸性・アルカリ性のどちらかに傾き過ぎないように利用されます。クエン酸は強い酸性なので、アルカリ性寄りのドッグフードを酸性に傾ける調整のため配合されます。
ドッグフードの添加物クエン酸のまとめ
今回はドッグフードに使われる天然由来の添加物、クエン酸について解説しました。以下クエン酸について要点をまとめています。
- 柑橘類に含まれる自然由来の添加物
- トイレやおしっこの臭い対策にも使われる
- 安全性が高く副作用はない
- 活性酸素や劣化を招く酸化を抑制
- pH調整剤として利用される
他にも酸化防止剤やpH調整剤など、様々な添加物がドッグフードには利用されています。すべての添加物が悪いものではなく、むしろドッグフードの安全や品質を守るために必要な成分もありますので、他の添加物についてもぜひチェックしてみてください!