目次
ここではAAFCOについてドッグフードのどのような基準を定めているのかなど詳しく触れていきたいと思います。
AAFCO(米国飼料検査官協会)とは
ペットフードの表示基準を定める米国機関
AAFCO(American Feed Control Officials)とは、犬猫用ペットフードの栄養基準やラベルの表示基準やガイドラインを作成する団体です。
AAFCO以外にも、FEDIAFやNRCなどもペットフードの基準を公表していますが、現在、世界的に支持されている基準は、AAFCOの栄養基準や表示のガイドラインとなっています。日本でもペットフード公正競争規約で定める基準として採用されています。
総合栄養食を証明する基準
引用元:ペットフード公正取引協議会
特に総合栄養食については、AAFCOの分析試験による栄養基準をクリアしないと「総合栄養食」と名乗ることができないので、日本で販売されている総合栄養食のほどんどがAAFCOの栄養基準をクリアしています。
AAFCOの定める栄養基準一覧表
幼犬用最低基準 | 成犬用最低基準 | ||
---|---|---|---|
粗タンパク質 (Crude Protein) | 22.5%以上 (AAFCO) | 18.0%以上 (AAFCO) |
|
粗脂肪 (Crude Fat) | 8.5%以上 (AAFCO) | 5.5%以上 (AAFCO) |
|
繊維 (Moisture) | - | - | |
ミネラル (Minerals) | カルシウム | 1.2 ~ 1.8% | 0.5 ~ 1.8% |
リン | 1.0 ~ 1.6% | 0.5 ~ 1.6% | |
カリウム | 0.6%以上 | 0.6%以上 | |
ナトリウム | 0.3%以上 | 0.08%以上 | |
塩化物 | 0.45%以上 | 0.12%以上 | |
マグネシウム | 0.06%以上 | 0.06%以上 | |
鉄 | 88 mg/kg以上 | 40 mg/kg以上 | |
銅 | 12.4 mg/kg以上 | 7.3 mg/kg以上 | |
マンガン | 7.2 mg/kg以上 | 5.0 mg/kg以上 | |
亜鉛 | 100 mg/kg以上 | 80 mg/kg以上 | |
ヨウ素 | 1.0 ~ 11 mg/kg | 1.0 ~ 11mg/kg | |
セレン | 0.35 ~ 2 mg/kg | 0.35 ~ 2mg/kg | |
ビタミン (Vitamin) | ビタミン A | 5000 ~250000IU/kg | 5000 ~250000IU/kg |
ビタミン D | 500 ~ 3000IU/kg | 500 ~ 3000IU/kg | |
ビタミン E | 50IU/kg以上 | 50IU/kg以上 | |
チアミン (ビタミンB1) | 2.25mg/kg以上 | 2.25mg/kg以上 | |
リボフラビン (ビタミンB2) | 5.2mg/kg 以上 | 5.2mg/kg以上 | |
パントテン酸 (ビタミンB5) | 12mg/kg以上 | 12mg/kg以上 | |
ナイアシン (ビタミンB3) | 13.6mg/kg以上 | 13.6mg/kg以上 | |
ビタミンB6 | 1.5mg/kg 以上 | 1.5mg/kg以上 | |
葉酸 | 0.216mg/kg以上 | 0.216mg/kg以上 | |
ビタミンB12 | 0.028mg/kg 以上 | 0.028mg/kg以上 | |
コリン | 1360mg/kg以上 | 1360mg/kg以上 | |
水分 (Mosture) | ドライ…10%程度以下(ペットフード協会) | ||
セミモイスト…25~35%程度(ペットフード協会) | |||
ソフトドライ…25~35%(ペットフード協会) | |||
ウエット…75%程度(ペットフード協会) |
データ引用元:AAFCO – 栄養基準
AAFCOが定めるガイドラインでは不十分?
最低限度の基準のみ
またAAFCOはパッケージ表示やには厳格な基準を設けていますが、原材料や成分値については基準値内であれば使用されている原材料や添加物についてはそこまで厳しくないと言われています。
たとえば、AAFCOでは塩分(塩化物とナトリウム)の最低値については基準値を設けていますが、上限値や最大値については記載していません。そのためもしドッグフードに大量の食塩が使用されていたとしても、成分値にひっかかることはなく基準をクリアしたドッグフードとして販売できてしまいます。
またAAFCOは原材料や添加物についてそこまで厳しくないため、犬にとって好ましくない物が含まれていたとしても基準をクリアできてしまう可能性があります。
AAFCOと他団体の認証を合わせて判断
他団体の認証や基準も合わせて選ぶ
だからといってAAFCOの基準をクリアする意味がないというわけではありません。AAFCOの基準は世界的に採用されるほどですし栄養基準も細かく設定されているため、非常に参考になる基準なので、AAFCOの基準をクリアしていることを最低条件に、公正競争規約や他の認証団体、原産国(国によっては法律で厳しい決まりが設けられている)を参考に選ぶのがおすすめです。