犬はもずくを食べても大丈夫!ダイエットに効果的。ネバネバ成分フコイダンや塩抜きの方法も

猫はもずくを食べても大丈夫!ダイエットに効果的。ネバネバ成分フコイダンや塩抜きの方法も

犬はもずく(stringy seaweed)を食べても大丈夫

もずくとは、モズク科に属する細長い糸状の海藻です。実は平安時代に書かれた「本草和名」には、「モズクはこぶや腫れ物を散ずる。」と記述があります。人が食べるときは酢の物や炊き込みご飯などが一般的ですが、もずくの全国シェア9割以上を占めている沖縄県では、天ぷらやお吸い物、もずく丼もあります。ちなみに、沖縄の方言でもずくを「スヌイ」といいます。

このように人の健康に薬理効果があるもずくですが、犬の健康にも良い効果をもたらします!

もずくが犬にもたらす健康効果、メリット、注意点をご紹介します。

もずくの栄養素とメリット

もずくには生もずく、塩もずく、もずく酢があります。

  • 生もずく:とれたて新鮮なもの
  • 塩もずく:生もずくを塩漬けして長期保存に適したもの
  • もずく酢:酢やしょう油、砂糖、みりんなどで味付けしたもの

犬が食べても大丈夫なのは、生もずくと塩もずくです!

下表は生もずく100gあたりの栄養素量です。

エネルギー4kcal
水分97.7g
糖質0g
ナトリウム90mg
カルシウム22mg
β-カロテン180μg
食物繊維1.4g
フコイダン2g
フコキサンチンg

※出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

水分補給として活用できる

もずくの約98%は水分です。ドッグフードにトッピングしたり手作り食に取り入れることで、水分の摂取量を増やすことができます。普段あまり水を飲みたがらない子や、きちんと水を飲んでほしい夏の時期におすすめです。

抗酸化作用のβ-カロテン

もずくに含まれるβ-カロテンには、抗酸化作用があります。体内の活性酵素を除去して細胞の生成や修復を行うため、老化予防やがん予防に期待できます。また犬は体内でβ-カロテンをビタミンAに変換することができ、皮膚や被毛、粘膜、視力の健康維持にも役立ちます。

低カロリーで糖質ゼロ

もずくは低カロリーなうえに糖質が0gなので、糖質制限をしている子や、ダイエットをしている子におすすめの食べ物です。

食物繊維が豊富

もずくには、犬の健康に良い水溶性食物繊維「フコイダン」が豊富に含まれています。次項で詳しくご紹介します。

もずくのぬるぬる成分「フコイダン」

フコイダンとはもずくや昆布、わかめなどの褐藻類のみに含まれるぬるぬる成分のことで、水溶性食物繊維の一種です。もずくに含まれるフコイダンは、昆布やわかめと比べても数倍多く含まれています。

フコイダンは消化・吸収されないまま腸まで届くため、効力が失われないまま腸で働きを発揮します。腸をほどよく刺激することで便通を促進する働きがあり、腸内環境を整え、善玉菌を多く作り出すことで悪玉菌の繁殖を抑制することができます。また、コレステロール値を下げる働きがあります。

フコイダンは海中で細菌の侵入を防ぐ働きを持ちます。また潮が引いて日光や外気に当たったときは乾燥しないようにする役目も果たし、もずくにとって必要不可欠なものです。

もずくを与えるときの注意点

もずくは犬の健康に良い効果がありますが、与え方には注意が必要です。

市販のもずく酢は調味料が多く含まれている

スーパーやコンビニでよく見るパックのもずく酢は、人にとって健康やダイエットに効果的とされています。しかしもずく酢に含まれる酢やしょう油、砂糖、みりんなどの調味料は犬にとっては体調不良の原因となってしまいます。市販のもずく酢を犬に与えることはやめましょう。

与えすぎは下痢になる恐れが

もずくは水分と食物繊維が豊富に含まれているので、与えすぎると便がゆるくなって下痢になる恐れがあります。腸内環境を整えたり便秘の解消をしたいからといって、過剰摂取させてしまうのは胃腸に悪影響となります。

生もずくは傷むのが早い

生もずくは新鮮で美味しいですが、痛むのが早いというデメリットがあります。痛んだ生もずくは見た目が黒っぽくなっている、どろどろ溶けて柔らかくなっている、ぬめりが強くなっている、生臭い匂いがするなどがあります。常温で保管していたり、購入から数日が経ったもの破棄しましょう。

すぐに使い切れない場合は、冷凍保存がおすすめです。使うときは自然解凍しましょう。

もずくのおすすめの与え方

茹でる、もしくは湯通しする

犬にもずくを与えるときは、生もずくを茹でる、または塩抜きした塩もずくを茹でると良いでしょう。もずく特有のぬめりや歯ごたえ、シャキシャキ感を残したい場合は、湯通しでも大丈夫です。

塩もずくは塩抜きを

塩もずくは、人が食べる用でも犬に与える用でも必ず塩抜きが必要です。塩抜きをせずに犬に与えてしまうと塩分過多となり、体調不良の原因となってしまいます。

人が食べる用のもずくの塩抜きは数分~1時間程度で十分ですが、犬に与える場合はさらに時間をかけて塩抜きをする必要があります。塩抜きの方法はいくつかありますが、下記の方法が一般的な方法です。

  1. 塩もずくをザルに入れ、流水で塩を落とすように揉み洗いする
  2. もずくをたっぷりの水に入れ、1時間ほど漬けておく
  3. もずくを水切りし、流水で揉み洗いする
  4. 2~3を繰り返す

塩もずくの塩抜きは手間と時間がかかりますが、スーパーなどで手に入りやすいですよね。犬に与えるときは十分に塩抜きをしてあげてください。

細かくカットする

犬は人のように、もずくをすすることができません。犬に与えるときは舐めとりやすいように細かくカットしたりペースト状にして、ドッグフードと混ぜ合わせましょう。

与えるのは食前がおすすめ

もずくに含まれる食物繊維は、糖質の吸収を抑える働きがあります。そのため、食後の血糖値の急激な上昇をゆるやかにすることができます。

糖質を抑えるダイエットをしている犬の場合は、もずくをドッグフードにトッピングするというよりは、ドッグフードの前に与えることがおすすめです。

まとめ

  • 生もずくや塩もずくは犬に与えても大丈夫
  • 塩もずくは必ず塩抜きをする
  • フコイダンは消化・吸収されないまま腸まで届き、吸収便通改善や腸内環境を整える
  • もずくを食前に与えることで、糖質の吸収を抑える

ABOUTこの記事をかいた人

古川菜々

愛玩動物飼養管理士2級、ペットセラピスト、ペット看護士、愛犬飼育スペシャリスト、ドッグフード勉強会ディレクターとして、ドッグフードに関する情報を提供しています。帝京科学大学アニマルサイエンス学科卒業。文章を通してわんちゃんの魅力を発信し、また多くの飼い主さんの悩みや不安を解決することで、飼い主さんとわんちゃんの幸せのお手伝いになれば嬉しいです。