犬が飲んでも大丈夫なお茶10選!抗酸化作用や肥満予防に。栄養効果バツグンで夏におすすめ

犬が飲んでも大丈夫なお茶10選!抗酸化作用や肥満予防に!栄養効果バツグンで夏におすすめ

犬はお茶を飲んでも大丈夫

私たち人が飲むお茶には、犬が飲んでも大丈夫なお茶と、飲んではいけないお茶があります。それは「カフェインが入っているか、入っていないか」によります。

犬田さん
ノンカフェインのお茶は、犬が飲んでも大丈夫です!

カフェインは犬の健康にとって中毒となるので絶対に与えてはいけませんが、ノンカフェインのお茶はさまざまな栄養やメリットがあり、犬の健康に良い効果があります。

今回は犬が飲んでも大丈夫なお茶の栄養やメリットについて、また飲んではいけないお茶についてご紹介します。

ノンカフェインのお茶10選!栄養とメリットも

カフェインが入っていないお茶は、カフェインが入っていない原料から作られています。ノンカフェインと聞くと種類が少ないイメージがありますが、実はたくさんの種類があるんです。それぞれのお茶が犬の健康にもたらす効果についてご紹介します。

麦茶

麦茶の原材料は小粒大麦、大粒大麦、はだか麦です。

麦茶が夏の水分補給として効果的といわれる理由は、麦茶に含まれるミネラルのためです。麦茶には、100gあたりナトリウム1mg、カリウム6mg、カルシウム2mgが含まれています。汗をかくとナトリウムやカリウムなどのミネラルが排出されてしまうため、麦茶はこれらを補給するのに最適といえます。(参考:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年)

また焙煎香の成分「アルキルピラジン」は、脱水によって滞った血流をサラサラにする効果があります。梅雨や夏の汗ばむ季節におすすめのお茶といえます。

コーン茶

コーン茶の原材料はとうもろこしです。胃腸機能を整え、体内の余分な水分を排出する働きがあります。水を飲むことが好きな子、水太りの傾向がある子におすすめです。

普段あまり水を飲みたがらない子は、麦茶やコーン茶などの香りが強いお茶がおすすめです。犬は匂いに敏感な動物なので、麦茶やコーン茶の香ばしい香りに惹かれて飲んでくれる傾向にあります。

またドッグフードに入れるのも良いでしょう。ドッグフードへの食いつきが悪い子、食欲が落ちている子に食欲促進が期待できます。

黒豆茶

黒豆茶の原材料である黒豆の黒い皮には、ポリフェノールの一種であるアントシアニンが豊富に含まれています。アントシアニンの抗酸化作用により体内の活性酵素を除去するため、老化の予防や冷え性に効果があります。

また黒豆に含まれる大豆サポニンは、脂肪酸の合成を抑制する働きがあります。中性脂肪の蓄積を抑えることができるため、肥満を予防することが期待できます。

ハトムギ茶

ハトムギは漢方薬の生薬としても使われ、体内の余分な水分を排出する働きを持ちます。

梅雨のようなジメジメとした湿度の高い季節は、湿邪(しつじゃ)になりやすいといわれています。湿邪とは体内に余分な水分や老廃物が溜まる現象のことで、溜まった部位によって症状が異なります。肺に溜まった場合は痰がらみの咳が出たり、関節に溜まった場合は関節痛や腰痛を引き起こし、皮膚に溜まった場合は皮膚炎や湿疹を発症します。一番溜まりやすいのが胃腸で、食欲不振や下痢などの症状が出ます。

湿邪はどの子でも起こる可能性があります。とくに毎年梅雨の時期に体調を崩しやすい子や、体力や免疫力が落ちているシニア犬は湿邪になりやすい傾向にあるので、ハトムギ茶を与えることがおすすめです。

甜茶

花粉症の季節になるとお茶の専門店や薬局でみかける甜茶(てんちゃ)。原材料は、中国を原産とするバラ科の葉です。中国ではお祝いやおめでたいときに飲むお茶で、さっぱりとした味とほんのり甘みがあります。

甜茶に含まれる甜茶ポリフェノールは、鼻の痒みや鼻水などの症状を引き起こすヒスタミンなどの化学伝達物質の放出を抑制する作用があります。そのため、花粉症やアトピーなどといったアレルギー症状の緩和が期待できます。

犬のアレルギーは皮膚炎や脱毛、発疹、痒みなど皮膚にあらわれることが多くあります。甜茶はアレルギーで悩んでいる子におすすめです。

ごぼう茶

ごぼう茶は、乾燥させたごぼうを焙煎して作られます。ごぼう茶には水溶性食物繊維のイヌリンが含まれています。イヌリンは糖質の吸収をやわらげ、血糖値を下げて中性脂肪が増えにくいという効果があります。そのため、糖尿病の予防に期待できます。

ご飯が大好きでたくさん食べてしまう子、肥満ぎみの子におすすめです。

ドクダミ茶

ドクダミ茶は、ドクダミの葉を乾燥させて作ります。ドクダミという名前は、毒を抑えるという意味の「毒矯め(どくだめ)」から付けられています。独特な匂いを持っていますが乾燥させると匂いは消え、お茶としては飲みやすいものになります。

ドクダミには、犬が不足しやすいミネラルやビタミンなどの栄養が多く含まれています。また殺菌作用にも優れ、昔から漢方として使われていました。カリウムが不足している犬におすすめです。

あずき茶

小豆は良質な植物性タンパク質とミネラルが含まれており、カロリーが低いのが特徴です。アントシアニンも豊富なので抗酸化作用もあります。食物繊維が豊富なので、便秘気味の子や腸内環境を整えたい子におすすめです。

タンポポ茶

タンポポはキク科の多年草の花です。タンポポ茶は根と葉を乾燥させて作られ、少し苦味があるのが特徴です。愛犬が少しでも嫌がるような仕草がみられたら、与えるのはやめましょう。

タンポポ茶を飲むと代謝が活発になり、毛細血管が広がって血行が良くなります。老廃物が排出されるため、デトックス効果や冷え性の改善に効果があります。

そば茶

そば茶は、そばの実が原材料です。ポリフェノールの一種であるルチンが多く含まれ、抗酸化作用を持っています。細胞の老化をゆるやかにしたり、細胞が修復されやすくなるため、皮膚の老化予防やがん予防に効果的です。

犬に与えるときの注意点

アレルギーには気を付けて

ノンカフェインのお茶は、カフェインは含まれていませんがアレルギーを示すものもあります。

とくに麦茶やコーン茶、黒豆茶、そば茶の原材料は「特定原材料」や「特定原材料に準ずるもの」に該当しています。その他のお茶は該当していないためアレルギーを起こしにくいとされていますが、可能性はゼロではありません。

初めて与えるときは少量からスタートしましょう。愛犬のアレルギーをきちんと把握し、それを摂取しないよう十分に気を付けることが大切です。

下表は、消費者庁が発表している食物アレルギー表示に関する情報となります。

特定原材料の名称
特定原材料えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生
特定原材料に準ずるものアーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、マカダミアナッツ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン

出典:食物アレルギー表示に関する情報

2~3倍に薄める

犬にお茶を与えるときは、2~3倍程度に薄めましょう。ドライフードにふやかすことでかさ増しになったり、香りも立つので食欲の促進が期待できます。

毎日の水分補給は水で

基本的に、犬の水分補給は水です。ノンカフェインのお茶だからといって、毎日飲ませるのはおすすめできません。

お茶はあくまで水をあまり飲まない犬を対象とし、「水を飲ませるために興味を引かせるもの」「ドッグフードのトッピング」「たまのご褒美」として捉えましょう。

常温に戻したものを与える

梅雨のジメジメや猛暑の季節ではキンキンに冷えたものを飲みたくなりますが、犬に与えるときは常温に戻したものにしましょう。冷たいお茶は体の芯から冷やしてしまうだけでなく、胃腸に負担となって体調不良になる恐れがあります。

飲んではいけないお茶は?カフェイン含有量も

下表は犬に与えてはいけないお茶と、100gあたりのカフェインの含有量です。商品によってカフェインの量は異なりますが、目安としてご参照ください。

カフェインのお茶カフェイン含有量(mg)
玉露160
抹茶32
煎茶20
緑茶20
ほうじ茶20
ウーロン茶20
玄米茶10
ジャスミン茶8

お茶に含まれるカフェインは、若い芽に多く、成熟した芽に少量が含まれています。そのため、若い芽を摘んで作られる玉露や抹茶はカフェインの含有量が多くなります。

犬がカフェインを摂取すると下痢や嘔吐、興奮、痙攣、呼吸不全、筋肉硬直、不整脈などさまざまな中毒症状を引き起こし、最悪の場合は命を落とす危険性があります。たとえ少量であっても数時間後に症状があらわれる場合もあるので、飲んだり舐めたりしたことが分かった時点ですぐに動物病院で診てもらいましょう。

まとめ

  • ノンカフェインのお茶は犬の健康にさまざまな効果がある
  • 麦茶やコーン茶は香りが強いので、食欲促進に期待できる
  • お茶の原材料を確認し、アレルギーに十分に注意する

ABOUTこの記事をかいた人

古川菜々

愛玩動物飼養管理士2級、ペットセラピスト、ペット看護士、愛犬飼育スペシャリスト、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。帝京科学大学アニマルサイエンス学科卒業。文章を通してわんちゃんの魅力を発信できること、また多くの飼い主さんの悩みや不安を解決できることに魅力を感じ、動物ライターという仕事を選びました。「飼い主さんのお力添えに。わんちゃんの幸せの一助に。」をモットーに、私が書いた記事が飼い主さんとわんちゃんの幸せのお手伝いになれば嬉しいです。