ドッグフードのサツマイモの栄養と働き。加熱すると甘味アップ!おやつや手作り食に使う場合

ドッグフード サツマイモ

ドッグフードの原材料:サツマイモ(Sweet Potato)

炭水化物源として利用

サツマイモ(Sweet Potato)はヒルガオ科サツマイモ属の根菜で、ドッグフードでもよく目にする原材料の一つです。配合量はドッグフードによって異なりますが、グレインフリーフードのような穀物不使用の製品では、サツマイモが豆類やじゃがいもと並んでエネルギー源として高い割合で配合されることもあります。

育てやすく病気に強い

繁殖能力が高く痩せた土地でも育てることができる強い野菜で、ドッグフードの製造者やメーカーも使いやすい原材料かと思います。サツマイモはジャガイモとよく比較されますが、サツマイモは害虫や病気に強く根をつたって全滅することも少ないため、安定した供給が期待できます。

また、ジャガイモの芽には有害物質「ソラニン」が含まれますが、サツマイモには毒性のある物質は含まれないので、安全性でもポイントが高いのではないでしょうか。

サツマイモをおやつに与えてもOK

おやつや手作り食によく使われています

おやつとしてサツマイモを与えても問題ありません。サツマイモは加熱して糖化することによって甘味が強くなるので、甘い物好きな犬の嗜好性も高く、サツマイモを使ったおやつや手作り食のレシピも多く公開されています。

与える時は、茹でたり蒸かしたりしてしっかり加熱します。生は固く消化不良の原因になるのでNGです。皮も与えて問題ありませんが、水で表面を洗ってから調理にしましょう。

さつまいもチップス等の食品はNG

犬用に作られたサツマイモチップスであれば与えてもOKですが、食品として販売されているさつまいもチップスはNGです。市販のサツマイモをつかった食品はワンちゃんの嗜好性も高いですが、砂糖や濃い味つけがされているので糖分やミネラル分が多く、栄養バランスを崩してしまいます。

サツマイモの栄養素

成分(分析値)さつまいもじゃがいも
タンパク質1.2g1.6g
脂質0.2g 0.1g
炭水化物31.5g17.6g
食物繊維2.3g1.3g
ビタミンC29mg35mg
カロリー132kcal76kcal

炭水化物が豊富で低GI食材

サツマイモは愛犬のエネルギー源となる炭水化物が豊富に含まれています。カロリーだけで見ればジャガイモを上回っていますが、サツマイモは血糖値を上げにくい低GI食材です。低GI食材は血糖値が上昇しないわけではありませんが、緩やかに血糖値を上昇させるため、血管への負担が少なく、肥満にもなりにくい食材とされています。

食物繊維で満足度UP&便秘改善

サツマイモには不溶性食物繊維が豊富に含まれています。不溶性食物繊維は水分を吸収して膨らむため満腹感が大きく、また消化されずにゆっくり消化器官を通っていくので、食いしん坊なワンちゃんの満腹感も持続させる助けになります。

また、形を残したまま腸まで届き、掃除しながら腸内を刺激して蠕動運動を促すので便秘改善や腸内の調子を整える効果も期待できます。

ビタミンCが豊富で壊れにくい

サツマイモにはビタミンC(アスコルビン酸)が100g中29mgと多く含まれています。このビタミンCは犬にとって必須栄養素ではありませんが、ビタミンCには抗酸化作用の他に、正常な免疫力を維持やコラーゲン合成を助ける作用があります。

また、水溶性ビタミンは加熱などで壊れやすい特徴がありますが、サツマイモの場合、加熱してもビタミンCが壊れにくい特徴があり、ビタミンCの補給にもサツマイモは良い食材になります。

サツマイモのアレルギー性は低い

さつまいもはアレルギー療法食に利用されるくらいアレルギーの原因物質になることは少ないので、アレルギー体質のワンちゃんでも比較的安心して与えられます。

サツマイモを与えて下痢や嘔吐などの症状が見られた場合、アレルギーの可能性が0とは言えませんが、与えすぎによる消化不良や他の原因も考えられますので、一度与えるのをやめて様子を見たり給与方法や給与量を変えてみるなどの対処をしてもいいかもしれません。

まとめ

  • 炭水化物や食物繊維が豊富
  • 肥満や血糖が心配な犬に嬉しい低GI食材
  • 満腹感を味わえる
  • アレルギー性が低い
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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。