犬はヨーグルトを食べても大丈夫!乳糖不耐症のリスクは?おすすめのヨーグルトを紹介

犬はヨーグルトを食べても大丈夫!乳糖不耐症のリスクは?おすすめのヨーグルトを紹介

犬はヨーグルト(yogurt)を食べても大丈夫!

ヨーグルトとはミルクを酵母や乳酸菌の働きによって発酵させたもので、牛の他にヤギや馬、羊、水牛などのミルクを原料にしたものもあります。朝ごはんのお供や料理の隠し味、おやつなど様々な場面で使用され、健康や美容に良い食べ物として親しまれています。

犬田さん
犬は人間用ヨーグルトを食べても大丈夫です!ヨーグルトは風味や香りがいいため、好きな子も多いのではないでしょうか。ヨーグルトは牛乳と比べてお腹を壊しにくく、涙焼けの解消にも効果的なんです。

しかし牛乳を飲むとお腹を壊す犬や、乳糖不耐症の犬にも大丈夫なのか心配される飼い主さんも多いはず。

この記事では、犬が食べても大丈夫な人間用ヨーグルトと栄養効果について、また与える注意点についてご紹介します。

ヨーグルトの栄養素とメリット

良質なたんぱく質が含まれている

ヨーグルトには、良質なタンパク質がバランスよく含まれています。それを証明するのがアミノ酸スコアです。アミノ酸スコアとは、その食べ物から摂取できるアミノ酸のバランスを数字であらわした指標のことをいい、最大値は100となります。

犬はヨーグルトを食べても大丈夫!乳糖不耐症のリスクは?おすすめのヨーグルトを紹介

約20種類のアミノ酸のうち、体内で合成することができない9種類のアミノ酸を必須アミノ酸といいます。必須アミノ酸が1つでも欠けていると、アミノ酸スコアは0となります。

ヨーグルトはアミノ酸スコアが100の食べ物です。

アミノ酸スコアはドッグフードなどに記載されていませんが、アミノ酸スコアが高い食べ物は限られているため、愛犬の健康管理のために覚えておくと良いでしょう。

水分補給として活用できる

ヨーグルトは水分が多く含まれているため、普段あまり水を飲みたがらない子におすすめです。ドッグフードにトッピングしたり手作り食に取り入れたり、たまのおやつでヨーグルト単体を与えるのも良いでしょう。

ドッグフード トッピング おすすめ

【おすすめ】市販ドッグフードトッピング!おすすめ食材とNG食材、選び方を解説

2020年12月1日

腸内環境を整える

ヨーグルトのような乳酸菌食品には、微生物「プロバイオティクス」が含まれています。プロバイオティクスは腸内環境を整える働きを持ち、良い腸内細菌を増殖してくれます。便秘で悩んでいる犬におすすめです。

また、腸内環境を整えることは涙焼けも改善できると言われています。

涙やけとは、涙の分泌量が多いことや涙の粘度が高いことなどの原因により、涙が皮膚の角質層を溶かすことで赤茶色の皮膚病変を形成する状態のことです。腸内環境を整えることで、涙の分泌量や粘度を改善すると言われています。

口臭が改善される

口臭の原因は、腸内環境が乱れていること、また腸内の悪玉菌の増殖です。腸内環境が改善され、善玉菌が増えることで口臭の原因が無くなるだけでなく、歯周病の予防にもつながります。

細胞を再生・修復する

ヨーグルトに含まれるビタミンB群は、食べ物の糖質をエネルギーに変換したり、細胞の再生や修復、神経組織の発達など様々な働きがあります。それにより皮膚や粘膜、被毛の成長や健康維持に効果的です。

ヨーグルトは下痢になりにくい

「うちの子は牛乳を飲むと下痢や消化不良になりやすい」と心配する飼い主さんも多いでしょう。これは、犬は牛乳に含まれる乳糖を分解するラクターゼと呼ばれる酵素の分泌が間に合わないために起こる症状で、「乳糖不耐症」という体質を指します。子犬のころはラクターゼが多く分泌されますが、年齢を重ねるにしたがって分泌量は減っていきます。

その点、ヨーグルトは作る工程において乳糖の約20~40%が分解され、また腸において乳酸菌の分解酵素の働きによって分解されます。

そのため、牛乳と比べるとヨーグルトは比較的下痢や消化不良をしづらいと言えます。

犬田さん
しかし、いくら下痢や消化不良をしづらいといっても乳糖不耐症のリスクはゼロではありません。胃腸が弱い子や、胃腸炎のような消化器疾患を持っている子には与えない方が良いでしょう。

犬に与えるヨーグルトの選び方のポイント

①無糖ヨーグルト

犬にヨーグルトを与えるのは無糖ヨーグルトにしましょう。

無糖ヨーグルトとは砂糖などの添加物が入っていないものです。ヨーグルトには人間や牛、ヤギなどの哺乳類のみに含まれている乳糖(ラクトース)と呼ばれる糖が含まれているため、砂糖が入っていない無糖ヨーグルトでも糖質は含まれています。

②無脂肪ヨーグルト

犬にヨーグルトを与えるのは無脂肪ヨーグルトもおすすめです。無脂肪ヨーグルトとは、無糖ヨーグルトから脂肪をほぼ全て取り除いたものです。

健康な犬であれば過剰に心配する必要はありませんが、肥満傾向にある犬やシニア犬は糖質や脂肪の取りすぎを避けるために無脂肪のものが良いでしょう。

③ギリシャヨーグルト

ギリシャヨーグルトとは、ヨーグルトを水切りすることで乳清(ホエー)や水分を取り除いたものです。通常のヨーグルトよりも濃厚でクリーミーさがあるためしっかりとした食べ応えがあり、満足感を得ることができます。また水分がない分、成分が濃縮されています。

④酸味が少ないもの

犬は酸味を苦手とする動物なので、酸味が少ないヨーグルトを選ぶと良いでしょう。ヨーグルトは液状で口触りがなめらかなので喉の通りがよく、喉が細く弱い小型犬も難なく食べることができます。

犬に与えるおすすめのヨーグルト一覧

【明治】ブルガリアヨーグルト

・カロリー62kcal、脂質3.0g

本場ブルガリアのLB81乳酸菌が配合されたヨーグルトです。腸管のバリア機能を高めたり、腸内の免疫細胞に働きかけます。酸味が少々ありますが、カロリーが控えめです。

【雪印メグミルク】ナチュレ恵

・カロリー63kcal、脂質3.0g

ガセリ菌SP株とビフィズス菌SP株が配合されているヨーグルトです。ガセリ菌SP株が生きて腸まで届き、長くとどまることが世界で初めて認められ、便の色や匂いを改善できます。酸味がマイルドなので、酸味が苦手な子も食べることができます。

【小岩井乳業】生乳100%ヨーグルト

・カロリー65kcal、脂質3.8g

生乳100%で作られているため酸味が少ないのが特徴です。飲むヨーグルトのような液状に近いやわらかさで、口当たりはなめらかです。

ヨーグルトは温めると栄養価が落ちると言われていますが、小岩井乳業の公式HPには「温めても乳酸菌が死滅せず、栄養価が変わらない」と記載があります。ヨーグルトは温めることで香りが増して嗜好性が高まるため、ドッグフードへの食いつきが悪い子や食欲が落ちている子におすすめです。

【フジッコ】カスピ海ヨーグルト

・カロリー66kcal、脂質3.7g

クレモリス菌FC株が配合されているヨーグルトです。クレモリス菌FC株は生きたまま大腸まで届くため整腸効果が高く、血糖値の上昇を緩やかにするため肥満防止になります。独特なとろっとした粘り気があるため、ドッグフードに絡めて与えるのがおすすめです。

【明治】THE GREEK YOGURT

・カロリー60kcal、脂質0g

ギリシャヨーグルトなので食べ応えがあり、満腹感を得ることができます。脂肪ゼロ・低カロリーのため、肥満傾向の子やダイエットしている子におすすめです。

【ダノン】オイコス

・カロリー71kcal、脂質0g

ギリシャヨーグルトです。酸味が少なく、なめらかで濃厚な食感です。高たんぱく・脂肪ゼロ・低カロリーなので、普段の運動量が多い子や散歩好きな子、筋力を付けつつダイエットしている子におすすめです。

ヨーグルトを与えるときの注意点

与えすぎは体調不良となる

ヨーグルトは水分が多いので、過剰摂取すると下痢や軟便になる恐れがあります。

普段のドッグフードのトッピングとして、手作り食の一材料として、時々のおやつとして活用しましょう。与えるのは週1日程度が目安で、1日の摂取カロリーの約10%が適正となります。

与えすぎは肥満となる

ヨーグルトは無糖であっても100gあたり60kcal以上と、特段にカロリーが低いというわけではありません。健康に良いからといって適正の摂取カロリーを気にせずに与えると、肥満の原因となってしまいます。ヨーグルトはあくまで補助的に与えるものと認識しておきましょう。

常温に戻してから与える

冷蔵庫から出して冷たい状態で与えると、胃腸に負担がかかって下痢になってしまう恐れがあります。ヨーグルトは人肌程度に戻してから与えましょう。電子レンジを使うのもいいですが、熱に弱い乳酸菌の本来の健康効果が期待できなくなってしまいます。

アレルギーに注意

犬がアレルギーを起こしやすい食材として、肉類(牛・鶏・ラム)、卵、穀類(小麦・トウモロコシ)、乳製品などが挙げられます。ヨーグルトは牛乳でできているため、牛乳アレルギーを持っている犬には決して与えてはいけません

まとめ

  • 腸内環境を整えることで口臭の改善、皮膚や被毛の健康維持、涙焼けの解消に効果的
  • 犬に与えるには無糖ヨーグルト、無脂肪ヨーグルト、ギリシャヨーグルトがおすすめ
  • 与えすぎると下痢などの体調不良や、肥満の原因となる
  • 牛乳と比べて、ヨーグルトは下痢や消化不良になりにくい

ABOUTこの記事をかいた人

アバター画像

帝京科学大学アニマルサイエンス学科卒業。愛玩動物飼養管理士2級、ペットセラピスト、ペット看護士の資格を取得。ドッグフード勉強会ディレクターとして、わんちゃんの栄養や病気、生態、ドッグフードなどの情報を提供しています。わんちゃんの魅力を発信し、飼い主さんの悩みや不安を解決することで、わんちゃんと飼い主さんの幸せのお手伝いになれれば嬉しいです。