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ドッグフードの原材料:オクラ(okra)
オクラはアオイ科トロロアオイ属の多年草です。ポリポリとした歯ごたえやネバネバとした独特な舌触り、種を噛んだときのプチプチ感など、さまざまな食感が楽しめることが特徴です。輪切りすると星の形になるのも可愛らしく、料理の飾りつけとしても活躍しますよね。
オクラには中毒となる成分は含まれていないので、犬はオクラを食べても大丈夫です!
オクラを与えるメリットやおすすめの与え方、注意点をご紹介します。
オクラの栄養素とメリット
下表は、オクラ100gあたりの栄養素です。
オクラ(生) | オクラ(ゆで) | ||
---|---|---|---|
エネルギー | 26 | 25 | kcal |
水分 | 90.2 | 89.4 | g |
脂質 | 0.2 | 0.1 | g |
カルシウム | 92 | 90 | mg |
カリウム | 280 | 280 | mg |
β-カロテン | 520 | 530 | μg |
水溶性食物繊維 | 1.4 | 1.6 | g |
不溶性食物繊維 | 3.6 | 3.6 | g |
※出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
β-カロテンは抗酸化作用
オクラに含まれるβ-カロテンは主に緑黄色野菜に含まれ、抗酸化作用があります。犬の体内ではβ-カロテンはビタミンAに変換され、体内の活性酵素を除去することで粘膜や皮膚の健康維持、老化の予防、ガンの予防にもつながります。また皮脂の産生を調整する働きもあり、脂漏症の改善やフケの発生の抑制にも効果があります。
豊富な食物繊維
オクラには水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が含まれています。食物繊維が豊富な野菜として代表的なごぼうは100gあたり5.7g、ブロッコリーは5.1gなので、負けず劣らずの含有量です。
低カロリー・低脂質でダイエットにおすすめ
オクラは100gあたり25kcal程度です。これはオクラ1本(約10g)で換算すると2kcal程度となります。また脂質も少ないこともメリットです。オクラは歯ごたえがあるので満足感や満腹感を得られやすく、低カロリー・低脂質なのでダイエット中におすすめの食べ物といえます。
水分補給に最適
オクラの約90%は水分です。とくに梅雨のジメジメした季節や夏本番では、水分不足により脱水症状になる犬も多くみられます。ドッグフードにトッピングすることで、水分補給としても活用できるでしょう。また豊富な食物繊維との相乗効果で、便秘ぎみの犬に効果的です。
オクラのネバネバの正体は?
オクラ特有のネバネバ成分は、ムチンやペクチンとよばれる水溶性食物繊維です。どちらも整腸作用があり、便秘の解消に効果的です。また食後の血糖値の上昇を抑えたり、血中コレステロール濃度の低下などの働きを持ちます。
またペクチンは胃壁を保護し、たんぱく質の吸収をサポートします。そのためスタミナを強化し、疲労回復に効果的です。夏本番を迎える前にオクラを食べて、体力をつけるのに最適です。
オクラのおすすめの与え方
オクラの産毛をとる
オクラの表面には、小さく細い産毛が多量にあります。まな板などの上でコロコロ転がすことで簡単に産毛が取れます。この処理を板ずりといいます。産毛は取らなくても気にならない程度ですが、板ずりをすることでオクラの色が鮮やかになったり、アクが抜けるなどのメリットがあります。舌触りやアクが気になるのであれば取ってあげましょう。
通常、人の料理としてオクラを使うときの板ずりは塩を振りかけて行いますが、犬に与えるときは塩を振ってはいけません。
ヘタは取り除く
犬にオクラを与えるときはヘタを取り除きましょう。加熱したとしても硬いため、胃腸や喉への負担となります。
種はそのままでも大丈夫
オクラの種は取り除かなくても大丈夫です。しかし消化しにくいので、小さくカットしましょう。
生でも加熱でも食べられる
オクラは生でも加熱しても栄養素量はほとんど変わらなく、犬に中毒となる成分が含まれていないので、どちらを与えても健康に悪影響はありません。愛犬が好む方で与えてみましょう。
生のオクラはポリポリ、ネバネバ、プチプチなどの食感の楽しさが特徴です。クセとなっておねだりする子も多いでしょう。
加熱したオクラはネバネバ感が増したり、香りがたつので食欲促進が期待できます。粗熱を取ってからドッグフードにトッピングしたり、おやつとして与えてみましょう。
小さくカットする
オクラは生でも加熱でも食べても大丈夫ですが、どちらにしても与えるときは小さくカットしましょう。犬は早食いや丸飲みをすることが多い動物なので、そのまま飲み込んでしまうと消化不良によって嘔吐や下痢などの原因になる恐れがあります。
オクラは加熱すると柔らかくなりますが、小さくカットせずにそのまま与えると胃腸に負担となったり、喉に詰まってしまうかもしれません。とくに生のオクラは歯ごたえがあるので、みじん切りにするのがおすすめです。
犬に与えるなら生と加熱、どちらがおすすめ?
犬の体内の消化吸収や食べやすさを考えると、犬に与える場合は加熱したオクラの方がおすすめといえます。
しかし、血糖値の上昇を抑えたい場合や便通を促したい場合でオクラを与えたいのであれば、生のオクラを与えることがおすすめです。オクラのネバネバ成分のペクチンは水溶性食物繊維であるため、茹でると成分が溶けてしまう性質を持っているためです。
オクラを与えるときの注意点
過剰摂取しない
オクラは水分と食物繊維が多く含まれているので、過剰摂取すると下痢になる恐れがあります。頻繁な摂取は避け、週1~2回程度でドッグフードにトッピングや手作り食として活用するのがおすすめです。
腎臓病や心臓病の子には与えない
カリウムやカルシウムなどのミネラルの調整は腎臓で行われますが、腎臓病や心臓病を患っている犬は腎機能が正常に働きません。そのため、ミネラルが体内に過剰に蓄積されると排出が間に合わなくなり、体内のバランスが崩れて高カリウム血症を引き起こします。食欲不振や不整脈などの症状があわられ、心臓にも大きな負担がかかります。
とくにシニア犬は腎臓機能が低下することが多いため、シニア犬には与えない方が良いでしょう。
まとめ
- オクラは生でも加熱しても栄養素量はほぼ変わらない
- オクラは低カロリーで低脂質なので、ダイエット中におすすめ
- オクラのネバネバ成分は、ムチンやペクチンとよばれる水溶性食物繊維
- 腎臓病や心臓病を患っている犬には与えない