エトキシキンとは
抗酸化剤(飼料添加物)、植物成長調整剤(農薬)として使用される
エトキシキンは、抗酸化剤(酸化防止剤)で、飼料の品質維持を目的に、油脂や脂溶性ビタミン(ビタミン A 及び E 等)等の有効成分の酸化を防止し安定化するために使用される。
香辛料、魚粉、家きん飼料及びその他の動物用飼料等に用いられ、アルファルファやクローバー等の飼料作物においてはカロテンやビタミン E の酸化防止剤として、チリパウダーやパプリカ等の製造に際しては色の保持のための酸化防止剤及びゴムの安定剤や抗劣化剤として使用される。
出典:飼料添加物・農薬評価書
エトキシキンは主に飼料の抗酸化剤として使用され、ペットフードにも使用されています。特に海外で広く使用され、日本でも飼料添加物として指定されています。
その他には海外では農薬としても使用され、主にりんごやなしの焼け防止に役立っています。ただし残留基準値が設けられています。
ペットフードにおけるエトキシキン
ペットフードにも酸化防止剤としてエトキシキンが使われています。ただしペットフード安全法により含有量に定めがあります。
分類 | 物質等 | 定める量(μg/g) |
---|---|---|
添加物 | エトキシキン・BHA・BHT | 150(合計量) 犬用にあたっては、エトキシキン75以下 |
このような定めがありますが、体の小さな猫よりも犬の方が少ない量でなくてはならないとしています。これは矛盾したように感じますが、値に違いはありますが、世界的に同じような設定になっています。日本はアメリカ、ヨーロッパに比べるとやや厳しめの設定です。
また、自然発火しないように、船舶輸送の場合は魚粉にエトキシキンを使用することが国際規則で定められています。これらは飼料原料として使用されます。
エトキシキンにおける問題
これらのことから、エトキシキンは、遺伝毒性により発がん性を示す物質とは考えられず、閾値の設定は可能であり、ADI の設定は可能であると考えられた。
出典:飼料添加物・農薬評価書
このように発がん性については認められているものの、遺伝毒性ではなく、閾値の設定が可能であるとしています。これらの研究結果により、使用量、含有量の設定が行われています。