ただ、当サイトも様々な懸念点から使用は避けた方がいいと考えています。
今回はドッグフードに使用される動物性油脂の性質からメリットもデメリットも解説しながら摂取できる栄養や危険性についてみていきましょう。
ドッグフードフードの原材料:動物性油脂
飼い主さんから警戒される原材料の一つ
ドッグフードにおける動物性油脂は、残念ながら多く飼い主さんから警戒される原材料の一つです。当サイトでも動物性油脂を使用したドッグフードはおすすめしていません。
動物性油脂(Animal fat)とは、動物組織の脂肪分がほぼ100%の原材料で、それ自体が問題というより「不特定な」動物からとれた脂質であることが一番の懸念材料とされています。
食肉の不可食部位が原材料
動物性油脂は、食肉加工場で人が食べる食肉を除いた「不可食部位」を熱処理し、油脂だけを抽出して精製されます。動物性油脂を製造するにあたって、油脂の副産物として製造されるのがミートミール(肉粉)です。
動物性油脂とミートミールは名前こそ違いますが、同じ肉原料から製造されています。ミートミールは高タンパクな原材料として動物性油脂と同様、ドッグフードによく使用されていますが、不特定な動物肉を使用したミートミール入りのドッグフードも同じ理由で飼い主さんからは警戒されています。
不安を煽る情報やサイトには注意
ただ先にもお話したように、不特定とはいえ基本的には「食肉」の不可食部位が使用されます。また、抽出するのはあくまで脂質部分だけで、タンパク質はほとんど含まれないので、アレルギーのリスクもかなり低いかと思います。
このため嫌に不安を煽るようなサイトや情報に惑わされないことが大切です。
ドッグフードの動物性油脂の栄養とメリット
脂肪酸やエネルギーの補給源となる
動物性油脂は、成分のほぼ100%が脂質のため、脂肪酸やエネルギーの重要な補給源となります。
脂質が多いと太るから少ない方がいいと考える方も多いですが、ドッグフード総合栄養食の基準を定めるAAFCOでも脂質は9%以上に設定されています。
脂質に含まれる脂肪酸は犬にとって必要不可欠な栄養素ですし、エネルギー源として最も利用しやすいので、ドッグフードにもある程度の量が必要です。
犬の嗜好性を高めるために配合
脂質は嗜好性を高めるので、ドッグフードでも食いつき向上のために配合されます。食いつきはドッグフードにおいて、栄養補給に必要な量を食べきってもらうために非常に重要なポイントの一つで、飼い主さんのドッグフード選びでも最重要課題の一つになっているかと思います。
脂質にはリンが多く含まれていますが、リンは旨味成分であり犬の嗜好性を高めてくれます。
ドライフードの成型にも役立つ
ドライタイプのドッグフードは乾燥し粉砕された状態のものが混ぜられるため、基本的に油脂がないと混ざった原料は粒の形に成型できません。
植物性油脂は常温では液体ですが、動物性油脂は常温では固形になるので、動物性油脂はドライフードの成型にも役立ちます。
低コストなので手頃な価格のドッグフードが手に入る
動物性油脂は単一の動物の油脂に比べて低コストで製造できます。
このためドッグフードに動物性油脂を利用すると、原価を抑えてホームセンターやスーパーなどで買えるような数百円~1,000円くらいの低価格帯の激安フードを提供することができます。
動物性油脂の危険性と注意点
4Dミートが使用される可能性はある?
動物性油脂は、事故で死んだ動物、障害のある動物、病気を患った不健康な動物などが使われている可能性があるので危険だと言われています。
ただ動物性油脂の場合、上記でも話したように、基本的には食肉の不可食部位が使用されるので、そのような動物性油脂は非常に少ないとされています。
自治体が肉粉製造業者に犬猫の死がい処理を委託
ただ、可能性として0ではないというのも事実で、実際に以前日本でもいくつかの市がペットフードに使用される肉粉の製造業者に対して犬猫の死がい処理を委託していたというニュースがありました。日本に限らず、国によっては海外でもこのようなことが行われている可能性もあります。
この場合、安全面や衛生面だけでなく、同じ犬や猫を共食いしているという倫理的な問題も挙げられます。飼い主さんとしても決して気持ちの良い話ではないかと思います。
ドッグフードの動物性油脂まとめ
また、安全性やトレーサビリティにこだわったドッグフードでは、単一の動物の油脂が使用される場合が多く、たとえば鶏脂、牛脂、豚脂(ラード)のような特定された原材料がよく使用されています。