そして今、特に注目されているのが、新ジャンルのドッグフード総合栄養食「フレッシュタイプ」の手作りドッグフードです。今回はこのフレッシュタイプについて、ドライフードやウェットフードにはない特徴やメリットをご紹介したいと思います。
最近話題の「フレッシュドッグフード」とは?
ドライフードでもウェットフードでもない総合栄養食の新ジャンル
フレッシュドッグフードは、最近登場してきた新ジャンルで、ドライフード、ウェットフード、ソフトドライフードなどこれまでのドッグフードとはまた違ったドッグフードとなっています。一般的に、調理した新鮮な野菜や肉をパウチで小分けにして冷凍保存したものがフレッシュフードと呼ばれています。
また、冷凍保存ではありませんが、冷蔵保存でソーセージタイプの「ブッチ」もフレッシュドッグフードよりの商品かと思います。
フレッシュタイプのドッグフードのメリット
食事らしさを追求し、彩りと食材本来の特性を生かした総合栄養食
フレッシュフードの最大の魅力は、彩りなどの見た目も含め、食材本来の味や食感を生かして作られた、より「食事らしい」ドッグフードである点です。
ドライタイプ(カリカリ)やウェットタイプのようにペットフード安全法や公正競争規約の分類として定義付けられているわけではなく、まだ認知度も高くはありませんが、犬の健康と食育に配慮した彩り豊かな食事ということで、愛犬により食事らしいものを与えたいと考える飼い主さんに人気が出てきています。
フレッシュフードを見ると、人が食べる食品や料理と遜色なく、これまでの「ドッグフード」という言葉が似つかわしくないように思えるほど彩り豊かです。
通販と定期の普及によりフレッシュフードの常用も身近に
これまでも、冷凍保存した犬用ミンチ肉や犬用ハンバーグなどの販売はありましたが、ほとんどは一般食(おかず)や副食で、ドライタイプのドッグフードの補佐として与えられる製品ばかりでした。
しかし最近は通販や定期注文が当たり前になってきたこともあり、クール便を利用したフレッシュドッグフードの配送や毎日の主食としての常用もしやすくなりました。さらに総合栄養食の栄養基準を満たしたフレッシュフードが登場してきたことで、毎日の食事(主食)として与えられるため、定期でも購入する人が増え、フレッシュドッグフードを展開するメーカーも徐々に増えてきました。
酸化防止剤や保存料等の添加物が必要ない
フレッシュドッグフードは調理後に急速冷凍され食べるタイミングまでは冷凍で保管されるため、酸化防止剤や保存料など添加物の必要がありません。
また、長時間の加熱や保管による栄養損失が少ないため、原材料に含まれる栄養素を最大限に利用し、栄養添加物(栄養強化剤)の使用を最小限に抑えることができます。
フレッシュタイプのドッグフードのデメリット
冷凍保管かつクール便のため価格は高い
フレッシュフードは1食ずつの小分け包装で冷凍保管され、自宅までの配送もクール便で送られるので、ドッグフードの価格も配送料も高くなる傾向があります。また食べるまでは冷凍で保存しなければならないので、もし毎日与える場合は、冷凍庫の容量がかなりとられてしまうというデメリットもあります。
保管方法、保管場所の確保が難しい
冷凍保存しなければならないフレッシュドッグフードは、常温保存をすることができないので、冷凍庫のスペースを圧迫します。このため、普段なら可能なまとめ買いで送料分や割引で安くする方法も、冷凍庫の容量がないためできない可能性があります。
フレッシュドッグフードに国産が多い理由
フレッシュドッグフードを販売するメーカーは多くありませんが、国産の商品が多いです。これは、日本ではエクストルーダーというドライフードを製造するための機器を所有しているOEM工場(製造受託工場)が少なく、国産でドライタイプのドッグフードに新規参入するのは難しいからと考えられます。
日本でエクストルーダーを所有しているのは自社工場を持つ大手のペットフードメーカーがほとんどで、製造ラインも自社製品の生産のために埋まってしまうため、他社製品の製造は受けていることは稀です。
このため、日本でドライフードを販売したい新規参入の企業は、海外ドッグフードの輸入販売、海外のOEM工場でオリジナルフードを製造し逆輸入&販売などの選択になっていきます。
しかし、フレッシュフードであれば、食材の調理や小分け密閉、冷凍保存技術など食品と同じような製造技術や機器があれば国内でも問題なく生産できるので、新規参入がしやすいジャンルになります。
まとめ
- 調理した肉や野菜などを冷凍保存する総合栄養食
- 新鮮な状態で加工や保存がされるため味の変化や栄養損失が少ない
- 本体価格や配送料が高くなる傾向がある