ドッグフードのローズヒップ。ビタミンCはレモンの約20倍!抗酸化作用や内臓脂肪の低減などの効果

ドッグフードのローズヒップ。ビタミンCはレモンの約20倍!抗酸化作用や内臓脂肪の低減などの効果

ドッグフードの原材料:ローズヒップ(rose hips

古くから薬用や食品で使用される

ローズヒップとは、バラ科バラ属のローザカニーナやドッグローズなどのバラが枯れたあとに形成されるをいいます。成熟していくことで徐々に赤色やオレンジ色が濃くなり、ビタミンCなどの栄養素が蓄積されます。

ドッグフードのローズヒップ。ビタミンCはレモンの約20倍!抗酸化作用や内臓脂肪の低減などの効果

ほのかな甘みと酸味が特徴のハーブで、古くから薬用や食品、サプリメント、ハーブティーとして利用されてきました。特にビタミンCを多く含む点で知られ、健康食品やサプリメントの原材料として人気があります。

ローズヒップティーはノンカフェイン

ローズヒップティーはノンカフェインなので、犬が飲んでも大丈夫です。ノンカフェインのお茶は水分補給や食欲促進に効果的です。

ただしアレルギーの心配もあるので、初めて与える際は少量からスタートし、常温のものを与えましょう。

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2024年7月16日

ローズヒップが原材料のドッグフード例

様々な原材料で使用される

ローズヒップは様々なドッグフードの原材料に使用されています。乾燥させた少量のローズヒップを他のハーブ類や野菜類と一緒に配合されます。

国産のドッグフードでは原材料でハーブというと大葉やシソがよく使用され、ローズヒップはあまり見られませんが、ハーブが身近で生産量が多い欧米産のドッグフードによく使用されます

ローズヒップが原材料のドッグフード例

原材料欄には、ローザカリーナ(ローズヒップ)、オーガニックローズヒップ、ローズヒップ酸化防止剤などと表記されます。

ローズヒップ酸化防止剤とは、ローズヒップを使用した製品(ドッグフードや食品、サプリメント、化粧品など)において成分の酸化を防ぎ、品質を保持するために使用される添加物や技術を指します。

ローズヒップの栄養素と犬への健康効果

ローズヒップにはビタミンAやビタミンC、食物繊維、ポリフェノールなどの栄養素が豊富に含まれています。

ビタミンCはレモンの約20~40倍

ローズヒップに含まれるビタミンCはレモンの約20~40倍で、「ビタミンCの爆弾」とも呼ばれています。

ビタミンCは強力な抗酸化作用を持つ水溶性ビタミンで、体内で発生した活性酵素の害から細胞を守る役割があります。

犬は体内でビタミンCを合成できますが、食欲が落ちている犬やドッグフードへの食いつきが悪い犬、加齢、ストレス、病気などの際には、ビタミンCが不足する恐れがあります。

ビタミンCは水溶性で熱に弱い性質を持ちますが、ローズヒップに含まれるビタミンCはバイオフラボノイドと共に存在するため比較的安定しており、体内での吸収効率が高いとされています。

これにより、免疫力の向上や抗炎症作用が期待されています。

視力や被毛の健康維持

ビタミンAは犬の視力維持に欠かせない脂溶性ビタミンで、特に暗所での視覚機能をサポートします。網膜に存在するロドプシンの生成を助けて夜間視力を向上させるほか、目の健康を守り、視力低下や目の病気を予防します。

また、ビタミンAは皮膚や被毛の健康を保つ効果があり、皮膚の細胞再生を促進し、乾燥やフケを防ぎます。また、被毛の艶やしなやかさを保つ効果があり、健康的な被毛の成長をサポートします。

内臓脂肪の低減

ローズヒップに含まれるフラボノール配糖体であるティリロサイドをマウスに投与したところ、内臓脂肪の低減に効果的であることが報告されています。

ダイエット中の犬や、肥満傾向の犬に効果的です。

引用元:ローズヒップ抽出物に内臓脂肪を低減させる効果|森下仁丹株式会社

抗炎症および抗酸化作用

ローズヒップ粉末に含まれる活性成分ガラクト脂質により、ヒト末梢血白血球の走化性と化学ルミネセンスを阻害することが分かり、抗炎症および抗酸化作用があることが報告されています。

参考:ローズヒップ粉末の抗炎症及び酸化防止特性の実験室及び前臨床研究 活性成分GOPOの同定及び特性化【JST・京大機械翻訳】

豊富な食物繊維

ローズヒップは食物繊維を含んでいるため腸内環境を整える働きがあり、便秘の改善や消化不良の予防に役立つとされています。

ドッグフードの原材料に使用されるローズヒップは乾燥させているため、水分が抜けている分、食物繊維が占める割合は高くなります

ローズヒップの注意点

ローズヒップには犬にとって中毒となる成分が含まれていませんが、食べすぎは消化不良や体調不良の原因になります。

ローズヒップが成っているバラ科の植物は自生していたり、庭で育てているご家庭も多く、散歩の際に出合うかもしれません。犬が大量につまみ食いや拾い食いをしないように注意しましょう

まとめ

  • ローズヒップティーはノンカフェインであるため犬が飲んでも大丈夫
  • ローズヒップは欧米産のドッグフードによく使用される
  • ローズヒップのビタミンC量はレモンも約20~40倍
  • 内臓脂肪の低減や、抗酸化作用、抗炎症作用がある

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帝京科学大学アニマルサイエンス学科卒業。愛玩動物飼養管理士2級、ペットセラピスト、ペット看護士の資格を取得。ドッグフード勉強会ディレクターとして、わんちゃんの栄養や病気、生態、ドッグフードなどの情報を提供しています。文章を通してわんちゃんの魅力を発信し、また飼い主さんの悩みや不安を解決することで、わんちゃんと飼い主さんの幸せのお手伝いになれれば嬉しいです。