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猫の場合グレインフリーであることは重要な項目だと思いますが、犬の場合は少し話が違ってくると考えています。当サイトのグレインフリードッグフードへの見解をお話していきたいと思います。
グレインフリードッグフードとは?
穀物を一切使用しないドッグフード
グレインフリーフードとは、穀物(Grain)を不使用(Free)にしたペットフードで、三大穀物の小麦、トウモロコシ、米を始め、イネ科植物の種子は一切使用されていません。
愛犬の健康や食育を意識する飼い主さんが増えたことで、かさ増しや原料コストの削減を目的に多量配合されていた穀物を避けたグレインフリードッグフードの人気が高まっています。
グルテンフリー(Gluten Free)との違い
グレインフリーはグルテンフリーを兼ねる
グレインフリーと似た言葉で「グルテンフリー」があります。グルテンフリードッグフードは、小麦やライ麦、トウモロコシなどの胚乳から生成されるグルテンタンパク質を不使用にしたドッグフードです。
グルテンは食物アレルギーの原因となりやすいことから、グルテンが含まれる小麦やライ麦、トウモロコシを不使用にしたグルテンフリー製品が販売されています。
グルテンフリーはグルテンが含まれる一部の穀物を不使用ということになりますが、グレインフリーは小麦やライ麦、トウモロコシを含む全ての穀物が不使用なので、グルテンフリーはグルテンフリーも含まれています。
犬は穀物に含まれる炭水化物を消化できない?
犬は大部分のでんぷんを消化することができる
画像引用元:5-1. デンプンと糖類 栄養素の消化と吸収-イヌとネコに注目して-|ペット栄養学会誌, 24(1), 2021
犬は炭水化物に含まれるでんぷんの大部分を消化することができます。
犬や猫の唾液にはでんぷんを分解するアミラーゼは含まれていませんが、犬の膵液から分泌されるα-アミラーゼの活性は高く、食事のでんぷん量に応じてα-アミラーゼ活性を容易に変化させられることから、犬にとってでんぷんは重要なエネルギー源と言えます。
ドッグフードには穀物がα化された活用しやすい形で配合されている
ドッグフードでは穀物はきちんと消化のいいα化された状態に加工されています。
穀物に限らず、芋類や豆類も、生の状態では固くて消化しにくい結晶構造となっており、この状態では犬が食べてもうまく消化できずエネルギーとしても利用できません。
このためペットフードではエクストルーダーという機械で製造を行っています。エクストルーダーは加水・加熱の過程の中でデンプンは水分を吸収して「α化(糊化)」と呼ばれる消化吸収しやすい柔らかい状態へ変化させます。
α化はわかりやすい例えで言うと、生米から水と熱を加えてご飯を炊き上げることや、小麦粉に水を加えて練ってオーブンでパンをつくるのと同じことです。
一般的なペットフードは、エクストルーダーで製造されているので、穀物も犬が消化しやすい形になっています。
犬は必ずしもグレインフリー(穀物不使用)でなくても大丈夫です
ドッグフードに炭水化物は必要?
当サイトでは、犬に必ずしもグレインフリー(穀物不使用)ドッグフードを与える必要はないと考えています。
犬は体の特徴や器官、内臓のつくりなど解剖学的に見れば、肉食性動物に分類されますが、食べ物の消化吸収能力やエネルギーへの変換能力、様々な食べ物への適応力など総合的に見れば、犬は植物から栄養を得られる雑食寄りの動物です。
犬の祖先であるオオカミは集団で大きな動物を狩り、肉をメインに食べて生活していましたが、1万年以上前から人のパートナーとして暮らし、ブリードを繰り返してきた犬は、人の生活様式を共にする中で食事も変化し、穀物を始め様々な植物性の食材を消化できる雑食型寄りになっています。
炭水化物は多少含まれていた方がいい
炭水化物源(NFE)は大なり小なり栄養学的にも重要なエネルギー源としてあった方がいいと見解されています。
一般的なドッグフードには穀物や芋・豆類など合わせて約40~60%の炭水化物が含まれているので、仮に、犬に炭水化物が必要ない場合、40~60%分の炭水化物の多くはタンパク質や脂質などで代替されることになるかと思いますが、犬の攻撃性の面からタンパク質は多すぎない方がいいと考えられています。
ある研究では縄張り意識の強い攻撃的な犬に対して高タンパク質食を与えても攻撃性は緩和されませんでしたが、反対にタンパク質を制限した食事を与えると攻撃性が緩和されたという報告があります。
このことから、過剰なタンパク質は避け、炭水化物もある程度の割合は含まれるべきという考えが有力です。
では、なぜグレインフリーフードが人気なのでしょうか。
グレインフリードッグフードのメリットは?
穀物アレルギーに配慮している
穀物の中でも小麦やトウモロコシはアレルギー性が高く、犬のアレルゲンだった場合、皮膚炎などのアレルギー反応が出るので、穀物アレルギーのある犬やその心配のある犬にはグレインフリーのドッグフードがおすすめです。
消化の良いドッグフードになる
グレインフリードッグフードは、穀物の代わりに消化性の高い肉や魚、野菜などを使用するので、消化の良いドッグフードになっている傾向があります。
食物繊維は胃や小腸で消化できない成分なので、消化器官をゆっくり通ることで満腹感を保ち、大腸内での働きが期待できますが、多すぎる食物繊維は胃や腸に負担がかかり、消化不良を招く場合もあります。
反対に穀物不使用のフードは穀物の代わりに肉や魚を使用するので消化されやすく、便秘気味であったり穀物入りが体質に合わない犬はグレインフリーフードで吐き戻しや便秘が改善されるかもしれません。
高タンパクで食いつきがいい傾向
また、グレインフリードッグフードは穀物を使用しない分、タンパク質が豊富な肉や魚の配合も多くなる傾向があるため、毛艶が良くなって若々しくなったり、嗜好性の高い食いつきの良いドッグフードの傾向があります。
芋類や豆類など他からの炭水化物で問題なし
エネルギー源となる炭水化物(でんぷん)は、穀物以外にもジャガイモやサツマイモ、豆類などにも含まれています。
また、犬は成分の合成能力や代謝能力が高く、十分なタンパク質量があれば、体内でブドウ糖を生産してエネルギーとして利用できるので炭水化物が少なくなくてもそれほど問題はありません。
他の食物繊維、ビタミン、ミネラルなどの栄養素も、野菜やフルーツなどから摂取することができます。
グレインフリードッグフードまとめ
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